三島由紀夫VS東大全共闘 50年目の真実
本を読んで、意味がわからなかった。
「美と共同体と東大闘争」角川文庫
この内容が映像として残っていて、
ドキュメンタリー化した表題の作品。
Amazonプライムに加わり話題になっているようだ。
このドキュメンタリーは、解説も入っていてわかりやすくなっていた。
しかし、討論の内容に関しては、何を言っているのかわからない人が大多数だろう。
東大生と三島由紀夫。
意見を異にしながら、三島は誠意を持って臨んでいた。
それだけでも見る価値があるようにも思う。
しかし、あの時代の言葉は、今の言葉とは違う。
ある程度、暗黙のうちに共有されている言葉というものがある。
時代々々で底流している言葉がある。
現代から見て、あの時代の言葉は、理解しにくい。
きっと、その言葉たちは常識であるから、
彼らもまたそれほどまでに深く突き詰めた言葉を使っているわけではない。
東大生の芥くんは、特にそんな印象だった。
空疎な言葉だと思った。
彼のうちから出ている言葉ではないと思った。
それもまた、あの時代特有のものだろう。
哲学的な言葉を、武器として使う。
そこに哲学は抜け落ちるけれども、それでいいという空疎さ。
しかし、それが彼らには必要だった。
そうしないと生きていけなかったのではないか。
言葉は、時代を超えているように見えて、
超えられない壁が存在していることを思わされた。
そういう意味で、ありがたいドキュメンタリーでした。